ギミックが動かないとき
メニューを押しても動かない。自分にしか見えない。ワールドを移ると元に戻る。ギミックが思ったとおりに動かないときに、どこから、どの順番で確かめればよいかと、よくある原因の一覧をまとめました。困ったときは、まずこのページに来てください。
公開 · 対象は Unity の Built-in Render Pipeline と VRChat のアバター(Avatars 3.0)です。2026年11月時点の内容です。
こんなときに読んでください
- 自分で組んだギミックが、メニューを押しても動かない。
- 自分には見えるのに、ほかの人には見えないと言われた。
- ワールドを移ったり、アバターを着替えたりすると、オンオフが元に戻る。
- Unity では動いたのに、VRChat では動かない。
- どこが悪いのか分からず、何から見ればよいか分からない。
確かめる順番
ギミックは、メニュー → パラメーター → ステート → クリップ → 見た目 の順に、値が受け渡されて動きます(くわしくは第6回 Animator のしくみ)。どこかで受け渡しが止まると、その先は動きません。
そこで、前から順に、どこまで届いているかを1つずつ確かめます。止まったところのすぐ手前に、原因があります。思いつくところを手当たりしだいに直すより、ずっと早く見つかります。
そして、まず Unity で確かめます。VRChat で試すには、毎回アップロードして待つ必要があります。Unity なら、直して再生するだけで、すぐ確かめられます。
- 1. Unity で再生Gesture Manager でメニューを押す
- 2. パラメーター値が変わるか
- 3. ステート入るステートが変わるか
- 4. クリップ正しいものを書いているか
- 5. VRChat で自分アップロードして試す
- 6. 友だちとほかの人にも見えるか
それぞれで見るところと、止まったときに見る場所
- 1. Unity で、Gesture Manager を使って再生する
- 次の節の手順で、Unity の再生ボタンを押し、Gesture Manager のメニューから、そのギミックの項目を押します。Unity で動けば、Animator やクリップの組み方は合っています。5 へ進みます。Unity でも動かなければ、2 から順に見ます。
- 2. パラメーターの値は変わっているか
- メニューを押したときに、Gesture Manager の Debug の欄で、そのパラメーターの値が変わるかを見ます。変わらないなら、メニューと Expression Parameters が原因です。名前が合っているか、Expression Parameters にそのパラメーターがあるかを見ます。
- 3. 入るステートは変わっているか
- パラメーターは変わるのに、ステートが変わらないなら、Animator のパラメーターの名前か、トランジションの条件が原因です。Animator ウィンドウで、そのレイヤーの動いているステートを見ます(見方は次の節)。
- 4. クリップは正しいものを書いているか
- ステートは変わるのに、見た目が変わらないなら、クリップの中身か、レイヤーの設定が原因です。クリップのパスが切れていないか(Missing)、レイヤーの Weight が 0 でないか、下のレイヤーが同じものを書いていないかを見ます。
- 5. VRChat で、自分で確かめる
- Unity で動いたら、アップロードして VRChat で試します。Unity で動くのに VRChat で動かないなら、アップロードのときに外されたもの(EditorOnly のオブジェクトなど)や、アップロード先のアバターを見ます。
- 6. 友だちに、ほかの人からの見え方を見てもらう
- 自分で動いたら、友だちに見てもらいます。Gesture Manager も自分の画面も、自分から見た姿しか確かめられません。ほかの人に見えないなら、パラメーターの Synced(ほかの人に送る)や、Quest 版を見ます。
どの段で止まったかが分かったら、下の「よくある原因の一覧」で、その困りごとを選ぶと、見る場所が絞れます。
確かめる道具
確かめるのに使う道具は、おもに3つです。Unity の Gesture Manager、Unity の Animator ウィンドウ、VRChat の中の表示です。
Gesture Manager(Unity で、VRChat のように動かす)
Gesture Manager は、Unity で再生したときに、アバターの Animator を VRChat と同じように動かす道具です。メニュー(Expressions Menu)やハンドサインを、Unity の中で試せます。作者は BlackStartx さんです(Gesture Manager の配布ページ(新しいタブで開きます))。
VCC か ALCOM で、プロジェクトの一覧から Gesture Manager を足して入れます。足し方は第1回 VCC・ALCOM・Unity の入れ方を見てください。
- Unity の上のメニューで
Tools → Gesture Manager Emulatorを押します。シーンにGestureManagerというオブジェクトが入ります。これは確かめるためだけのもので、アップロードには入りません。 - Unity の上の真ん中にある再生ボタン(▶)を押します。Unity が再生の状態になり、Animator が動き出します。
- Hierarchy で
GestureManagerを選びます。Inspector に、VRChat と同じ形の丸いメニューが出ます。アバターが2体以上あるときは、試すアバターを選びます。 - 丸いメニューで、試したいギミックの項目を押します。見た目が変わるかを、Scene か Game の画面で見ます。
- Inspector の上のほうにある
Debugの欄を開きます。パラメーターの値、レイヤーの Weight、いま入っているステートが並びます。メニューを押して、どの値が変わるかを見ます。 - 確かめ終わったら、もう一度再生ボタンを押して、再生を止めます。再生中に変えた設定は、止めると元に戻ります。直すのは、止めてからにします。
Parameters
Layer Weights
Animator States
- メニューで帽子をオンにすると、Hat が true になりました。メニューと Expression Parameters は合っています。
- Hat のレイヤーの Weight が 0 です。これでは、ステートが変わっても見た目は変わりません。Weight を 1 にします。
- ステートは Hat_On に入っています。トランジションも合っています。
Gesture Manager の画面の名前や並びは、版によって違うことがあります。欄が見つからないときは、Inspector の中のボタンを1つずつ押してみてください。
Animator ウィンドウ(いま動いているステートを見る)
- Gesture Manager で再生している間に、Hierarchy でアバター(いちばん上の、VRC Avatar Descriptor が付いたオブジェクト)を選びます。
Window → Animation → Animatorで、Animator ウィンドウを開きます。Gesture Manager の Debug から、見たいレイヤー(FX など)を開けることもあります。- 左の
Layersのタブで、見たいレイヤーを選びます。 - いま入っているステートは、青い進み具合のバーが下に出て、動いて見えます。メニューを押すと、バーが別のステートへ移るかを見ます。移らなければ、トランジションの条件か、パラメーターの名前が違います。
- トランジションの矢印を選ぶと、Inspector に、その条件(Conditions)が出ます。パラメーターの名前と値が合っているかを見ます。
再生中に Animator ウィンドウで変えた設定も、再生を止めると元に戻ることがあります。何をどう変えれば直るかが分かったら、止めてから、同じように直してください。
VRChat の中の表示
VRChat の中でも、アバターのパラメーターの値を見られる表示があります。Expressions メニュー(Action Menu)の中の設定(Options)のあたりに、デバッグ用の表示(Debug)を出す項目があります。名前や場所は VRChat の更新で変わることがあるので、見つからないときは、VRChat の公式のドキュメントで最新の場所を確かめてください。
VRChat SDK の Builder には、アップロードせずに、自分のパソコンの VRChat だけで試す方法(Build & Test)もあります。毎回アップロードするより早く試せます。
ほかの人からの見え方は、ほかの人にしか確かめられません。同期(Synced)や Quest 版を確かめるときは、友だちに頼んで、同じワールドで見てもらいます。Quest やスマホの友だちがいれば、その人にも見てもらうと安心です。
よくある原因の一覧
起きることと、考えられる原因、確かめて直す場所の一覧です。上の確かめる順番で止まったところと合わせて見てください。リンク先には、くわしい直し方があります。
すべての原因(24 件)を並べています。
| 起きること | 考えられる原因 | 確かめて直す場所 |
|---|---|---|
| メニューを押しても、見た目が変わらない(Unity でも) | 自分で足したレイヤーの Weight が 0 のまま。Unity で Animator にレイヤーを足すと、Weight は 0 で作られます。 | Animator ウィンドウの Layers で、そのレイヤーの歯車を押し、Weight を 1 にします。 |
| メニューを押しても、パラメーターもステートも変わらない | メニュー、Expression Parameters、Animator の3か所で、パラメーターの名前が違う。大文字と小文字、前後の空白も、別の名前になります。 | 3か所の名前を、1文字ずつ見比べてそろえます。名前はコピーして貼ると間違えません。 |
| メニューを押しても何も起きない | Expression Parameters にそのパラメーターが無い。Animator のパラメーターにあるだけでは、メニューから値を変えられません。 | Expression Parameters に足します。Modular Avatar(MA)でつなぐときは、MA Parameters に入っているかを見ます。 |
| オンにしても動かない・途中の値になる | Expression Parameters と Animator で、型(Bool・Int・Float)が違う。VRChat は型を変えて渡すことがありますが、トランジションの条件が合わなくなることがあります。 | 両方の型を見比べて、そろえます。わざと型を変える組み方もありますが、まずはそろえます。 |
| オンにはなるが、オフに戻らない | 戻るほうのトランジションが無いか、条件がオンのときと同じになっている。 | オフのステートへ戻る矢印を選び、Inspector の Conditions を見ます。Bool なら、戻るほうは false にします。 |
| 切り替わるのが一拍遅れる・じわっと変わる | トランジションの Has Exit Time にチェックが入っている。または Transition Duration が 0 でない。 | 矢印を選び、Has Exit Time のチェックを外し、Settings の Transition Duration を 0 にします。 |
| ぱたぱた点滅する・動きが何度も最初から始まる | Any State からのトランジションで、Can Transition To Self にチェックが入っている。条件が合っている間、同じステートに入り直し続けます。 | Any State からの矢印を選び、Settings の Can Transition To Self のチェックを外します。 |
| ステートは変わるのに、見た目が変わらない。Animation ウィンドウで項目が黄色く「Missing!」と出る | オブジェクトの名前を変えた、別の場所へ動かした、別のアバターに移した。クリップのパス(どのオブジェクトを動かすか)が合わなくなっています。 | 名前と場所を元に戻すか、クリップのパスを直します。 |
| ステートは変わるのに、見た目が変わらない・別の値になる | 下にあるレイヤーが、同じもの(同じ BlendShape や、同じオブジェクトのオンオフ)を書いている。同じものを書くと、下のレイヤーが勝ちます。 | 下のレイヤーのクリップを見て、同じ行を消すか、レイヤーの順番を変えます。 |
| クリップは合っているのに、動かない | 見た目を変えるクリップを、FX 以外のレイヤー(Gesture など)に入れている。または、FX で Humanoid の骨を動かそうとしている。 | オブジェクトのオンオフ、BlendShape、マテリアルは FX で動かします。 |
| メニューやハンドサインを戻しても、元に戻らない。関係ないところまで変わる | Write Defaults の ON と OFF が混ざっている。または、OFF なのに、オフのときのクリップを作っていない。 | コントローラーの中で ON か OFF にそろえ、オンとオフのクリップを両方作ります。 |
| 表情のときに、まばたきや口の動きが重なって崩れる | VRChat が動かすまばたき・口と、表情のクリップが、同じ BlendShape を動かしている。 | VRC Animator Tracking Control で、表情の間だけ、まばたきや口を Animation の側にします。 |
| Radial Puppet を回しても、少しずつ変わらない | ステートの Motion Time にパラメーターが入っていない。または、パラメーターが Float でない。 | ステートの Motion Time の Parameter にチェックを入れ、Float のパラメーターを選びます。 |
| 自分には見えるのに、ほかの人には見えない | Expression Parameters の Synced(ほかの人に送る)のチェックが外れている。 | Synced にチェックを入れます。Synced を外したパラメーターは、自分の画面でしか変わりません。 |
| 触っても反応しない・自分のときだけ反応する | VRC Contact Receiver の Collision Tags が、触る側(Sender)と合っていない。Allow Self か Allow Others が外れている。Local Only の Receiver の値を、同期するつもりで使っている。 | Receiver の設定を見直します。 |
| Quest やスマホの人にだけ、ギミックが見えない | Android 版(Quest・スマホ向け)に、そのギミックが入っていない。または、Android 版で使えない部品を使っている。 | Android 版にも同じギミックを入れて、アップロードし直します。 |
| ほかの人から、揺れものや触るギミックが動いていないと言われる | アバターが、見る人の設定したランクより重い。PhysBone や Contact の数が多すぎると、その人の画面では、PhysBone と Contact がすべて外されます。 | パフォーマンスランクの、PhysBone と Contact の項目を見て、数を減らします。 |
| ワールドを移ったり、アバターを着替えたりすると、元に戻る | Expression Parameters の Saved(覚えておく)のチェックが外れている。または、Default の値が思ったものと違う。 | Saved にチェックを入れ、Default を見直します。 |
| メニューに項目を足せない・足した項目が出ない | 1つのメニューに置ける項目は 8 つまで。いっぱいのメニューには足せません。MA でつなぐときは、MA Menu Installer が無いか、オフになっている。 | Sub Menu で、メニューを分けます。MA なら、Menu Installer を付けたオブジェクトがオンかを見ます。 |
| アップロードできない。パラメーターが多すぎると出る | 同期するパラメーターの合計が 256 bit を超えた。Bool は 1 bit、Int と Float は 8 bit です。衣装やツールが足したパラメーターも数に入ります。 | Builder の Validations で量を見ます。使っていないものを消すか、ほかの人に見せなくてよいものの Synced を外します。いくつかのオンオフを Int 1つにまとめる方法もあります。 |
| MA でつないだら、見た目が変わらない | MA Merge Animator の Path Mode が、録画したときと合っていない。Relative なら、パスは Merge Animator を付けたオブジェクト(Relative Path Root)から数えます。Layer Type が FX でないこともあります。 | Path Mode と Layer Type を見直します。 |
| Unity では出ているのに、VRChat では出ない | オブジェクトのタグが EditorOnly で、アップロードのときに外されている。または、親のオブジェクトがオフで、クリップがそこをオンにしていない。 | Inspector のいちばん上の Tag を Untagged にします。Hierarchy で親から順に、オンになっているかを見ます。 |
| 直したはずなのに、VRChat では変わらない | 別のアバター(別の Blueprint ID)にアップロードした。または、古いほうのアバターを着ている。 | Builder で、アップロード先のアバターを見ます。VRChat で、アップロードしたアバターを着直します。 |
| アバターの更新を入れたら、作ったギミックが消えた・動かなくなった | 更新で、元のアバターの FX やメニューが上書きされた。アバターの FX に直接足したものは消えます。 | 作ったものは、MA でつなぐ形にしておくと、元のアバターの FX と別になるので、更新で消えにくくなります。 |
よくある困りごとと直し方
Unity でも、メニューを押して何も起きない
- 起きること
- Gesture Manager でメニューを押すと、パラメーターもステートも変わる。でも、見た目が変わらない。
- 原因
- いちばん多いのは、自分で足したレイヤーの Weight が 0 のままのことです。Unity でレイヤーを足すと、Weight は 0 で作られます。
- 直し方
- Animator ウィンドウの Layers で、そのレイヤーの歯車を押し、Weight を 1 にします。それでも変わらなければ、クリップのパスと、下のレイヤーを見ます。
自分にしか見えない
- 起きること
- 自分の画面では帽子が出ている。友だちからは、帽子が無いと言われる。
- 原因
- Expression Parameters で、そのパラメーターの Synced のチェックが外れています。値がほかの人に送られていません。
- 直し方
- Synced にチェックを入れて、アップロードし直します。友だちが Quest やスマホなら、Android 版にもギミックが入っているかを見ます。
ワールドを移ると、オフに戻る
- 起きること
- 帽子をオンにしても、ワールドを移ると、帽子が消えている。
- 原因
- Expression Parameters で、そのパラメーターの Saved のチェックが外れています。ワールドを移ると、Default の値に戻ります。
- 直し方
- Saved にチェックを入れて、アップロードし直します。
オンにすると、ぱたぱた点滅する
- 起きること
- オンにすると、帽子が出たり消えたりを、細かく繰り返す。
- 原因
- Any State からのトランジションで、Can Transition To Self にチェックが入っています。条件が合っている間、同じステートに入り直し続けています。
- 直し方
- Any State からの矢印を選び、Can Transition To Self のチェックを外します。
Unity では動くのに、VRChat では出ない
- 起きること
- Gesture Manager では帽子が出る。アップロードして VRChat で押すと、出ない。
- 原因
- 帽子のオブジェクトのタグが EditorOnly になっていて、アップロードのときに外されています。別のアバターにアップロードしていることもあります。
- 直し方
- Tag を Untagged にして、アップロードし直します。Builder で、アップロード先のアバターも見ます。
パラメーターが多すぎて、アップロードできない
- 起きること
- ギミックを足したら、Builder に、パラメーターが多すぎるという注意が出て、アップロードできない。
- 原因
- 同期するパラメーターの合計が、256 bit を超えています。衣装やツールが足したパラメーターも数に入ります。
- 直し方
- 使っていないパラメーターを消すか、ほかの人に見せなくてよいものの Synced を外します。服の切り替えのように、いくつかのオンオフは Int 1つ(8 bit)にまとめられます。
気をつけること
- 一度に直すのは1か所だけにします。いくつも同時に変えると、どれで直ったのか、どれで壊れたのかが分からなくなります。
- 直す前に、元に戻せるようにしておきます。コントローラーやクリップを複製しておくか、アバターのフォルダを書き出しておきます。
- Unity で再生している間に変えた設定は、再生を止めると元に戻ります。直すのは、再生を止めてからにします。
- Gesture Manager で動いても、ほかの人からの見え方(同期)は確かめられません。最後は、VRChat で友だちに見てもらいます。
- 買ったアバターの FX やメニューに直接足すと、アバターの更新で消えることがあります。自分で作ったものは、MA でつなぐ形にしておくと安心です。
- VRChat の中のデバッグ表示や、Gesture Manager の画面は、更新で名前や場所が変わることがあります。
まとめ
- ギミックは、メニュー → パラメーター → ステート → クリップ → 見た目 の順に動きます。前から順に、どこまで届いているかを確かめます。
- まず Unity の Gesture Manager で確かめます。アップロードを待たずに、すぐ試せます。
- パラメーターが変わらないならメニューと Expression Parameters、ステートが変わらないならトランジション、見た目が変わらないならクリップとレイヤーを見ます。
- Unity で動いたら VRChat で自分で、最後に友だちに見てもらって、同期を確かめます。
- これで「Animator でギミックを自分で作る」の回はおしまいです。困ったら、上の一覧から、それぞれの回に戻ってください。