衣装を着せる
買った衣装をアバターに着せる手順を解説します。いまは Modular Avatar(モジュラーアバター)を使うと、ほとんどの衣装が数クリックで着せられます。体が服から突き抜けるときの直し方や、メニューで服をオンオフする方法も、再現図と動かして確かめられる図つきで説明します。
公開 · 対象は VRChat のアバター(Avatars 3.0)と Modular Avatar です。2026年11月時点の内容です。
こんなときに読んでください
- BOOTH などで買った衣装を、自分のアバターに着せたい。
- 衣装を着せたのに、動くと服がついてこない。体が服から突き抜ける。
- 服をメニューで着たり脱いだりできるようにしたい。
着せる前に確かめること
衣装には、どのアバター向けに作られたかが決まっています。説明書や販売ページで確かめてください。
- 対応アバター
- 販売ページに「対応アバター」として名前があれば、そのアバターに合わせて作られています。このページの手順で、ほぼそのまま着せられます。
- 非対応のアバター
- 名前が無いアバターにも着せられることはありますが、大きさや形を自分で合わせる必要があります。難しいので、はじめは対応アバターの衣装から試してください。
- 必要なシェーダー
- 多くの衣装は lilToon などのシェーダーを使います。説明書に書かれたシェーダーを、先にプロジェクトに入れておきます。
- 利用規約
- 改変してよい範囲や、アップロードの条件は衣装ごとに違います。使う前に読んでおきます。
Modular Avatar を使う理由
昔は、衣装のボーン(骨)をアバターのボーンの中に1本ずつ入れ直して着せていました。手間がかかるうえ、まちがえると元に戻すのが大変で、アバターや衣装を更新するとやり直しになりました。
Modular Avatar は、アップロードするときや Unity で再生したときだけ、衣装のボーンをアバターのボーンに自動でまとめます(Merge Armature)。編集中のアバターや衣装はそのままなので、こわしません。衣装を外したいときは、Hierarchy から衣装を消すだけです。
- 衣装をアバターの中に置くHierarchy でドラッグ
- Setup OutfitMerge Armature が付く
- 再生・アップロードボーンが自動でまとまる
- 体に沿って動く元のデータはそのまま
Modular Avatar を入れる
Modular Avatar は、VCC か ALCOM でプロジェクトに入れます。VCC と ALCOM の入れ方は、第3回で解説しています。
- Modular Avatar の公式サイト(新しいタブで開きます)の「インストール」で、VCC なら「Modular AvatarをVCCに追加」を押します。ALCOM なら「VPMリポジトリを追加」に
https://vpm.nadena.dev/vpm.jsonを入れます。 - VCC は「Manage Project」、ALCOM は「管理」でプロジェクトを開き、Modular Avatar の + を押して入れます。
衣装を着せる手順
- 衣装の unitypackage を、Unity の Project ウィンドウにドラッグして、「Import」を押します。
- 衣装のフォルダから、アバター名の付いたプレハブ(Prefab)を探します。対応アバターごとにプレハブが分かれていることが多いです。
- そのプレハブを、Hierarchy のアバター(VRC Avatar Descriptor が付いたもの)の上にドラッグして、アバターの子にします。
- 衣装を右クリックして、
[ModularAvatar] Setup Outfitを選びます。 - 元から着ていた服をオフにします(Inspector の左上のチェックを外します)。
- Unity の再生ボタンを押して、アバターを動かしても服がついてくるかを確かめます。
- 衣装のプレハブを、アバターのすぐ下(子)に置きます。アバターの外や、Armature の中に置かないでください。
- 衣装を右クリックして選びます。衣装の中の Armature を見つけて、Merge Armature を付けてくれます。
Setup Outfit がしていること
Setup Outfit を選ぶと、衣装の中の Armature に MA Merge Armature が付き、衣装のいちばん上に MA Outfit Root が付きます。
Merge Armature は、衣装のボーンを名前で探して、アバターの同じ名前のボーンにまとめます。アバターに無いボーン(スカートの骨など)は、アバターのボーンの子として足されます。衣装の揺れもの(PhysBone)も、まとめた先のボーンを動かすように直されます。
まとめるのは、再生したときとアップロードするときだけです。再生をやめると、Hierarchy は元の形に戻ります。
▼ MA Merge Armature
- 衣装のボーンをまとめる先です。アバターの Armature が入ります。Setup Outfit が自動で入れるので、ふつうは変えません。
- 編集中に、アバターのポーズに合わせて衣装も動かす設定です。Setup Outfit では、この一方向の設定になります。
- アバターに無いボーンの名前を変えて、ほかのアイテムのボーンとぶつからないようにします。
体が服から突き抜けるとき
体の形が服より大きいと、動いたときに肌が服から突き抜けます。多くのアバターには、服の下の体を縮めたり消したりする BlendShape(シェイプキー)があります。名前は Shrink_〜 や Hide_〜 などで、アバターの説明書に書かれています。
Body の Skinned Mesh Renderer で、この BlendShape の値を上げれば縮みます。ただし、この値は服を脱いでも縮んだままです。また、アバターの FX の Animator がこの BlendShape を書いていると、VRChat では Unity で入れた値に戻ってしまいます(第2回)。
おすすめは、衣装の中に MA Shape Changer を付ける方法です。衣装がオンのときだけ、体の BlendShape を決めた値にします。衣装をオフにすると、体は元に戻ります。Delete にすると、服の下の体のポリゴンを消して、軽くすることもできます。
▼ MA Shape Changer
- 縮めたい体のメッシュ(ふつうは Body)を入れます。
- Set は、衣装がオンのときに、この値にします。縮める BlendShape に使います。
- Delete は、衣装がオンのときに、この BlendShape がかかる部分を消します。服で完全に隠れる部分に使います。
動かして確かめる
体の縮小の値と縮め方を変えて、服を着たとき、脱いだときの見た目を比べてみてください。FX の Animator はこの BlendShape を書いていないものとします。
服を着ているとき
Shrink 0
服を脱いだとき
Shrink 0
Body に入れた値は、服を着ていても脱いでいても同じです。
服を着ているとき:体が服から突き抜けています。値を上げてください。
服を脱いだとき:体が元の形に戻ります。
再生して確かめる
- Unity の再生ボタンを押すと、Modular Avatar が衣装をまとめた状態になります。Scene でアバターのポーズを動かして、服がついてくるか、突き抜けないかを見ます。
- Gesture Manager を入れておくと、再生中に Expressions Menu を開いて、服のオンオフも試せます。
- 大丈夫なら、アップロードして VRChat でも確かめます。鏡の前で、しゃがむ、腕を上げるなど、大きく動いてみてください。
よくある困りごと
服がついてこない
- 起きること
- 再生したり VRChat で動いたりすると、服がその場に残る。
- 原因
- Setup Outfit をしていないか、衣装がアバターの子になっていません。
- 直し方
- 衣装をアバターのすぐ下に置き、右クリックから Setup Outfit をし直します。衣装の Armature に MA Merge Armature が付いているかも確かめます。
体が服から突き抜ける
- 起きること
- 動いたときに、胸やおなか、太ももの肌が服の外に出る。
- 原因
- 服の下の体が大きいままです。
- 直し方
- 体を縮める BlendShape を、MA Shape Changer で衣装に付けます。Body に直接値を入れた場合は、FX の Animator が値を書いていないかも確かめます(第2回)。
服が浮く・大きさが合わない
- 起きること
- 服が体から離れて浮いている。袖や裾の長さが合わない。
- 原因
- 対応していないアバター用のプレハブを使っているか、アバターの体型を変えています。
- 直し方
- 自分のアバター用のプレハブかを確かめます。体型を BlendShape で変えているときは、衣装側の同じ BlendShape を合わせるか、MA Blendshape Sync で同じ値にします。
揺れものが二重にかかる
- 起きること
- 胸や髪の揺れ方がおかしい。跳ねたり、震えたりする。
- 原因
- 衣装とアバターの両方に、同じボーンを動かす PhysBone が入っていることがあります。
- 直し方
- 衣装の説明書を見て、どちらの PhysBone を使うかを決め、要らないほうを消すかオフにします。
メニューが出ない
- 起きること
- Expressions Menu に、作ったトグルが出てこない。
- 原因
- Menu Installer が無いか、トグルのオブジェクトがアバターの外にあります。メニューの項目数がいっぱいのこともあります。
- 直し方
- トグルをアバターの子に置き、Menu Installer が付いているかを確かめます。再生して Gesture Manager でも確かめます。
服がピンク色になる
- 起きること
- 衣装の服が、ピンク一色で表示される。
- 原因
- 衣装が使っているシェーダーが、プロジェクトに入っていません。
- 直し方
- 説明書に書かれたシェーダー(lilToon など)を入れます。入れたあとも直らないときは、マテリアルのシェーダーを選び直します。
対応していないアバターに着せたい
- 起きること
- 好きな衣装が、自分のアバターに対応していない。
- 原因
- 体の形やボーンの位置がちがうため、そのままでは合いません。
- 直し方
- Outfit Root の「位置を元アバターに合わせてリセット」で大まかに合わせてから、ボーンの位置や大きさを少しずつ直します。合わせるためのツールもあります。手間がかかるので、改変に慣れてからがおすすめです。利用規約で非対応のアバターへの改変が認められているかも確かめます。
気をつけること
- 衣装やアバターのプレハブは、Unpack しなくて大丈夫です。Unpack しないほうが、更新を入れたときに楽です。
- 元の服を消すのではなく、オフにしておくと、あとで戻せます。
- 衣装を足すと、ポリゴン数やマテリアル数が増えて、パフォーマンスランクが下がることがあります。アップロードの前に確かめます。
- 改変の前に、プロジェクトのバックアップを取っておくと安心です。
まとめ
- 衣装は、対応アバター用のプレハブを、アバターの子に置きます。
- 右クリックの Setup Outfit で、Modular Avatar がボーンを自動でまとめます。元のデータはこわれません。
- 体の突き抜けは、MA Shape Changer で、衣装がオンのときだけ体を縮めます。
- Create Toggle で、メニューから服を着たり脱いだりできます。